On parle de nous......et M. Chat! Figaro Madame Japon

2011.06.15

サンジェルマンを歩けば、
ネコにあたる。

icon_paris.jpg 大村真理子の今週のPARIS
サンジェルマン教会近くにde Nobeleという書店がある。美術関係の本が新旧ともに充実しているすばらしい書店だが、土曜休業なので週末にのんびり本探し、ということができないの が残念だった。が、書店には申し訳ないが、いまや、閉店が待ち遠しい書店となってしまったのだ。というのは、店のシャッターいっぱいに、黄色く真ん丸な姿 でおなじみの猫が落書きされたからだ。それもなんと、読書をする猫! とても愛らしい。


0615paris_01.JPG書店はボナパルト通り35番地にある。サンジェルマン教会からラデュレに向かう途中、前を通るはず。
©Mariko Omura
グラフィティ・ファンには何年も前から知られた存在の、トマ・ヴェイユによる黄色いM. Chat。パリに出没を始めたのは2004年頃とか。書店と同じ通りにあるボ・ザール校の壁にも、ずいぶん以前から猫の落書きがある。


0615paris_02.jpg左:ボナパルト通り14番地のボ・ザール校の猫。 右:ボ・ザール校近く、セーヌ河岸の建物のこんな高いところにも!
©Mariko Omura
さて、書店 にこの姿をみつけたのとほぼ時を同じくして、ビュッシ通り近くでアスティエ・ドゥ・ヴィラットを扱うブティックにも猫を発見! 近づいて みると、隣のアートギャラリーのガラスにはもっと大胆に落書きされたM. Chat! さらにその脇にカラフルなもう1匹が見える。いったいギャラリーの向かいのどこの壁に描かれたものがウィンドーに写り込んでいるのだろ う・・・と、周囲を見渡すも、向かいの建物の壁にも横の建物の壁にもこのカラフルなネコはいない! よく見てみると、それはショップの中に展示されている 作品。そして改めてウィンドーのグラフィティを見てみると、通り側からではなく、店の内側からガラスに描かている。つまり落書きではなく、これは作品だっ たのだ。最近まで、ここで展覧会が開催されていたそうだ。


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シャトー・ル・ブルボン通り2番地のブティックLa Galerie Salon。
©Mariko Omura
0615paris_04.jpgブティックの隣のギャラリー、de Nobele。
©Mariko Omura
いま や、世界各地で見られるM. Chatは有名猫。今春、そのその国際的な活躍が1冊の本となって出版され、先のde Nobele書店でも美術書に混じって販売されている。実は書店のオーナーがM. Chatのファンということで、シャッターの読書猫は彼女の依頼だったのだ。そしてアートギャラリーのオーナーは彼女のご主人・・・。これが最近サンジェ ルマンにM. Chatが出没した理由である。
いつかは姿を消すのが落書きの運命。サンジェルマンを散歩する機会があったら、M. Chatにボンジュールを!
0615paris_05.jpg書店のウィンドー。M. Chatの本は27ユーロ。
©Mariko Omura